工法別の特徴

写真:建物の経年劣化

建物は経年により劣化していく

建物の改修は、建物の構造や材質、施主様のご要望などに応じて、最適な工法がいくつもあります。貴社の建物に最適な工法はどれなのか。また、今主流となっている工法はどれなのか。割合大きな費用をかけ、次回改修までには長い期間がかかりますから、あとで「この工法のほうがよかったのではないか?」と指摘されないよう、現存の複数の工法を比較検討の上、納得のいく選択をすることをお勧めします。そして、誰に聞かれても分かるよう、はっきりと理由を説明できるようにしておきましょう。

建物の躯体(建物のカタチを作っている内部の構造体)は長持ちしても、屋根・外壁は雨や風、太陽光にさらされていますので、年数に応じて劣化していきます。従って、一定の期間毎に改修工事が必要です。

建物の外壁に使われる素材は、建設される時期やその他の要因によって、さまざまな材料が使われています。改修が必要な時期にさしかかった、築30年以上経過した工場や倉庫などでは、スレートが使われていることが大変多く、問題となっています。

スレートは、軽くて丈夫で、安価なうえに、施工が簡単だったことから、30年以上前までは大変多く使われていた材料です。

スレート施工実績表

スレート利用率はピーク時の1/4まで減少している

しかしながら、アスベストによる中皮腫発症が明らかになってからは、余り使われることはなくなりました。現在でも、アスベストを含まないスレート材は入手可能ですが、以前に比べて夏は暑く、風雨災害もひどくなっていく傾向にあり、破損のリスクも高いため、使われなくなっています。

30年以上経過したスレート材の屋根・外壁は、雨や強い陽射しで激しく劣化しており、薄くなって強度が低下していることがほとんどです。そのまま放置すると、台風や大雨の際の被害が大きくなる懸念があります。

修理代だけでなく、スレートが台風で飛び、他の建物や人間に当たるなどの大きな被害を発生させたり、穴が空くことで工場の稼働が停止し、予期せぬ大きな損害を発生させてしまうなどといった可能性もあります。

写真:イメージ

一番最適な改修法はどれ?

工場・倉庫のスレート屋根外壁、オフィスビルの鉄筋・コンクリート構造の屋根・外壁の改修には、いくつかの工法があります。それぞれの違いを比較すると、どの工法にも一長一短があります。

天慶では、自社の建物の状態をまずよく把握していただいた上で、自社の建物に最もふさわしいと思う工法を選択することが必要だと考えております。

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スレート建物の改修工法

工法 施工時
稼働
廃材 建物
強度
アスベ
スト飛散
断熱
効果
次回
補修
その他
スレート
強化塗装
なし ほとんど
変わらず
×(高圧
洗浄の
場合)
× 20年 20年ほど前までは、比較的多く行われていたが、現在ではスレート建物の劣化度が高くなりすぎ、施工できなくなりつつある。
スレート
葺き替え
× あり 変わらず × × 20年 アスベスト処理費が膨大にかかるため、ほとんど行われていない。建物の強度も同じスレートなので変わらない。
スレート撤去
と新屋根・外壁
× あり 材料
による
× 材料に
よる
材料に
よる
アスベスト処理費が膨大にかかる。躯体は使えるので完全に建て替えるよりは安価。
(屋根)板金
カバー工法
なし 強化 30年
以上
空気層に断熱効果。断熱材を入れると、さらに断熱効果が上がる。
(壁材)金属
サイディング
カバー工法
なし 強化 30年
以上
金属サイディング材が構造材の一部となり、全体の強度が増す。
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スレート屋根・外壁の工場・倉庫の場合

スレート強化塗装

スレートを強化する材料を含んだ塗料で塗装する工法です。工期が短く安価で、廃材もでない上に、見た目は美しくなります。アスベストの問題もありません。

スレートの寿命は35年程度と言われていますが、それを伸ばすことができます。環境にはよい工法であるといえます。

しかしながら、下地材を塗る前に、こけや汚れを高圧洗浄剤で落とすと、スレートに含まれるアスベストが飛散すると言われています。

また、建物の劣化が激しすぎる場合は施工が不能となります。このため、現存するスレート葺きの建物は、古い物件ばかりになっており、施工が不能のため、現在ではあまりとられることがなくなりました。

スレート葺替

劣化したスレートをすべて撤去して、新しいスレートに貼り替える方法です。

元の材料と同じモノを利用するので、問題ないように見えます。スレートは安価なうえに軽量ですので、この方法がもっとも費用が少なく済みそうです。また、無石綿スレートも選択できますので、アスベストの問題も解消できます。

しかし、建物の状況や環境によっては、付帯費用のコストが大きくかかります。既存スレートの撤去時には、「アスベスト診断士」による適切な検査と処理が必要となり、飛散防止対策を行った上での撤去作業は費用がかさみます。アスベストの最終処分場がいっぱいになっており、費用が高騰しています。

また、工場の稼働が止められないなどと言った場合は、剥がして貼り替えると言う方法はとりづらくなります。

  • 施工前
  • 施工後(スレート葺替)
スレート撤去と新屋根・外壁
写真:イメージ

受け入れ可能な埋め立て場が満杯になりつつある

ぼろぼろになったスレートは撤去したほうが、躯体にかかる重量を増やさずに済みます。新しい外壁・屋根材により、新築同様となります。

しかしながらアスベストの撤去作業は、アスベスト取り扱いの資格保持者が作成したマニフェストに沿って、石綿取り扱い作業従事者特別教育を受けた作業者が「解体工事」を実施する必要があります。また、最終処分場は満杯になっており、処分費用が高騰しています。撤去せずに解体する方法が推奨されます。

(屋根)板金カバー工法

 既存のスレートの上に、鋼板を張る工法です。空気層ができ、断熱効果が得られる他、工場は稼働中でも施工ができます。断熱材を入れることで、さらに高い断熱効果や、防音効果を得ることもできます。

  • 施工前
  • 施工後/(屋根)板金カバー工法
(外壁)金属サイディングカバー工法
写真:(外壁)金属サイディングカバー工法

金属サイディング材は、断熱効果の高い材料を、焼き付け塗装した鋼板ではさんだ物で、高い断熱、防音、防水効果があるほか、構造上、建物の強度を高めることができます。

また、スレート材の上を覆うように施工していきますので、スレートの撤去の問題がないばかりか、工場の稼働も止める必要がありません。また、焼き付け塗装した鋼板は、雨風に大変強く、長期間にわたってメンテナンスが必要ありません。

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折板屋根の場合

折板屋根の場合は、下記の工法が選択できます。

板金カバー工法

断熱効果がないのが折板屋根の欠点ですが、この板金カバー工法では空気層ができるため、室内温度を大幅に下げることができます。さらに、板金でカバーした隙間に断熱材を入れることで、防音効果も持たせることができます。

  • 写真:板金カバー工法
  • 施工の様子(板金カバー工法)
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一般住宅の場合

(外壁)金属サイディング工法

一般住宅では、特に住み心地が最優先となります。金属サイディング材は、断熱性、遮音性に優れているほか、耐食性も高く、美しい意匠が長期的にわたって維持できます。

  • 施工前
  • 施工後/(外壁)金属サイディング工法

    金属サイディングは、断熱性、遮音性、意匠性、耐食性などに優れている

耐食性

鋼板の端部では亜鉛が溶け出し、犠牲防食作用によって鉄素地を保護しています。

図:耐食性の説明

断熱性

図:金属サイディング材と同等の断熱性能を得るために必要な厚さ
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(屋根)金属断熱ルーフ

瓦の1/10の重量の金属断熱ルーフは、遮断性だけでなく、耐久性も高いのが特長。

酸性雨(雪)にも強く、特に海岸地域では威力を発揮するほか、長期間建物の意匠を維持できます。

  • 施工前
  • 施工後/(屋根)金属断熱ルーフ

    軽量で遮熱効果が高い金属断熱ルーフ

遮熱性

太陽光の中には、熱エネルギーに変換されやすい赤外線が約50%含まれています。遮熱鋼版は赤外線の反射特性が大きい着色顔料を使用し、鋼板温度の上昇を抑制します。

図:簡易遮熱試験詳細

軽量性

 1m2あたり5kg以下。地震の際に建物にかかる負担が軽減されます。

図:屋根種別重量
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